※写真はイメージです。
2020年2月19日(水)に日本モーターボート競走会は
「不正行為に関する再発防止策」
に関する記者会見を行いました。
ここでは、その会見で出た内容について、私見を述べさせていただきます。
なお、会見の骨子はボートレースのオフィシャルサイトで閲覧できます。
興味のある方はぜひ覗いてみてください。
一応この下にリンクを貼っておきますが、それを読まなくても、この記事の内容理解に影響はありません。
目次
今回の再発防止策は個人的にはとても評価できる
一通り防止策を読みましたが、私はその内容はとても評価できると思いました。
いくつかピックアップして紹介します。
1.ゲート型の金属探知機の導入
おそらく空港などで使用されているものと同等品だと思いますが、そういうのがデンと構えていれば、普通の人間なら身構えてよからぬことはしないと思います。
また、設置したことはきちんと外部にも公表するとのことで、それだけ抑止力も高まると思います。
2.携帯電話の抑止装置の導入
選手の宿舎などに、この抑止装置を導入するそうです。
これで仮に検査をすり抜けてスマホを持ち込んだとしても、電波が圏外になります。
まあ、検査機能がしっかり働けば不必要なものとは思いますが、徹底に徹底を重ねるという姿勢が伝わってきました。
3.内部通報制度を導入
メールによる専用相談窓口を設置して内部通報を可能にするとのこと。
専用の窓口があれば、迷うことなく知らせることができるので、良いことだと思います。
4.疑いのあるレース映像を検証するための委員会を設置
ネットでの書き込みや内部通報に対して、それを検証するための委員会を設置するとのこと。
届いた声を処理する方法まで言及しているのは良いと思います。
5.その他
他にも再発防止策はありますが、それらは研修会などでコンプライアンス教育等を徹底するといったものです。
つまり、教育を受ける側の人間性に左右される防止策なので、確実に効果があるかどうかは判断がつかないものです。
ただし、選手のみならずその家族にも実施するようで、それは意味のあることだと思います。
では、実際に再発防止策の効果はあるのか?
私は今回の再発防止策は具体性もあって評価できると感じました。
しかし、当然のことながら実際に効果がないことには意味がありません。
特に、上記5にあるような、コンプライアンスの徹底といった策は、それを受ける側の人間性に関わることなので、効果の実証は難しいところです。
ただ、もし自分がボートレーサーだったとして、上記の1~4のことを実施されたら、どういう気持ちになるでしょうか。
私はとてもじゃないですが、よからぬことをする気になんてなれません。
そして「それをすり抜けて外部との連絡をどうやって取るか」なんてことに費やす時間と労力があるなら、整備や操縦の技術向上に使いますよ。
おそらく西川容疑者以外のボートレーサーはそういう気持ちだと思います。
なお、ボートレーサーは上記以外にも、私物の抜き打ち検査もあります。
どうしても緊急を要する電話連絡は管理員立会いのもとでやるそうです。
これだけでもレース中は非常に不自由な環境下にあるのに、さらに厳しい監視体制となるわけです。
でも、その厳しさは、ボートレーサーであることの自覚を高めることにもなるでしょう。
ですから、今回の防止策は評価もできるし、一定の効果もあると思います。
ただし、コンプライアンスの徹底については、ぜひ以下のことを実施して頂けたらと思います。
選手や関係者にぜひともしっかり伝えてほしいこと
今回の再発防止策自体は意味のあるものとは思います。
ただ、ヤフーニュースのコメントを見ると
「通信機器持ち込みを制限しても、事前に打ち合わせすれば八百長なんてできる」
という趣旨のコメントが散見されます。
まあ、それらのコメント主のいいたいことはわかります。
だからこそ、日本モーターボート競走会には、こんなコメントが出ないように、選手や関係者に対してコンプライアンスを徹底するときには、倫理観をしっかり説いてほしいと思います。
まあ、私はボートレーサーではないし、もちろん訓練を受けたことだってありません。
漫画「モンキーターン」で読んだ程度ですし、もうその記憶もほとんどありません。
でも、何のために厳しい訓練に耐えるのか、その答えが「外部と連絡を取ってその外部の人のために走ること」ではないことはわかります。
また、そんな不正をやれば、積み上げてきたものが一瞬にしてなくなることもわかります。
ボートレーサーの平均年収は1600万程度です。
平均なので、それ以上稼ぐことだってできます。
デビューして、真摯に操縦と整備に向き合い、レースを重ねれば生活に困るなんてことはまずないでしょう。
でも、八百長なんぞしようものなら、その稼ぎも失うし、社会的信用も失います。
こう書くと「いやいや、そんなことわざわざ書かなくてもわかるし」と思う人もいるでしょう。
そして、それは日本モーターボート競走会も同じだったと思います。
そのぐらいの倫理観はある前提で、今までコンプライアンス指導をしてきたのだと思います。
だから、ある程度の性善説に基づいていたと思われる、今までのコンプライアンス指導に何か致命的な問題があったとは、私は思っていません。
でも、今回西川容疑者の八百長事件が起こったのもまた事実です。
ですから、悲しいことなんですが、人が多様である以上、こういう倫理観に欠けた選手も必ずいるという前提を持つべきだとは感じました。
そして、その倫理観をしっかり植え付ける指導を私は望みます。
できれば知りたかったこと
今回の会見の目的はあくまで再発防止策に関することで、その目的と責任はそれなりに果たせたと思います。
しかし、できれば、八百長事件そのものに関する不透明な部分の発表も欲しかったです。
私なんかは、結局西川容疑者はどうやってスマホを持ち込んだのか知りたかったです。
実際、記者の中には、事件の全容解明について質問した人もいたようです。
しかし、裁判に関わるということでそのあたりの回答はなされませんでした。
まあ、これはこれで仕方がないとは思いました。
ただ、これだけ具体的な防止策を講じてきたぐらいですから、公表してもいい時になれば、しかるべき発表があると信じたいと思います。
今回の記者会見の反響の大きさ
日本モーターボート競走会は2020年1月15日に、西川容疑者逮捕に関する緊急記者会見を行っています。
その時はスポーツ紙中心の14社の参加でした。
ですが、今回は計19社の参加で、その中にはNHKの記者もいました。
関心の大きさがうかがえますね。
最後に
それでも、私はボートレースへの投票は続けます。
私にとっては、日常においてドキドキとワクワクを与えてくれる貴重な存在ですからね。
まあ、このブログを見てもらえばわかる通り、私の投票額なんてほんとたかが知れていますが、そんな金額でも趣味にできるコンテンツなんですよ、ボートレースって。
だから、決してなくなってほしくはありません。
今後の日本モーターボート競走会の動きに期待して記事を終わりたいと思います。